妊婦と猫は同居できる?妊娠中に安全に生活するための注意点

妊婦と猫

こんにちは~獣医師のanicoですっ♪

 

飼い主さんが妊婦さんやその家族の場合、よく聞かれる質問があります。

 

 

 

「妻が妊娠したら猫は手放すべきなんでしょうか?」

「妊婦は猫を飼っちゃいけないんですか?」

 

 

 

もしかしたらあなたも誰かに、「え、妊娠?猫飼ってて大丈夫なの?」と言われたことがあるかもしれません。

 

猫を飼ってる身としては、「いやいやいや、そんなこと言われても!」って感じですよね^^;

 

妊娠したら、猫を手放した方がいいの?それ、本当?

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結論から言うと、

 

猫を手放す必要なし!!

 

 

実際anico自身も妊娠前からずっと猫を飼ってましたが(今もね)、もちろん当時も手放す選択肢などありませんでした。

 

 

しかしながら、昔から言われ続けているであろうこの言葉。

 

言われた方も、戸惑いますよね。

 

獣医師側からしても簡単に猫を手放せなんて言ってほしくないですし、そう言われている理由こそ、しっかりと知って欲しいと思っています。

 

 

「妊娠も嬉しい!猫との暮らしも楽しい!」

 

 

と心配なく快適な妊婦生活を送るためにも、なぜ猫が悪者にされるのか?その理由を正しく知っておいてください!

 

猫妊娠したら、なんでいきなり猫が悪者にされるの?

「妊娠したら猫を手放せ」

 

なぜこんなことが昔から言われてきたのでしょうか?

 

その理由は、トキソプラズマ

トキソプラズマ
出典:国立感染症研究所

 

・・・トキソプラズマ??

 

そう、このポツポツとお花のようにみえるのがトキソプラズマなんですが、一体こやつは何者なのでしょうか?

そして、猫とどんな関係があるのでしょうか?

 

そのつながりを簡単に説明します^^

 

猫トキソプラズマと猫の関係

トキソプラズマの生活環
出典:国立感染症研究所

 

トキソプラズマとは寄生虫の一種で、猫だけでなく、ほとんどの動物に感染することができます。

 

犬、豚、牛、鶏……と、身近な動物も普通に感染します。

 

 

「え?じゃあなんで猫だけが重要視されるの?」

 

 

と思われるでしょうが、その理由は

 

トキソプラズマは猫の体の中でだけ卵を作ることができ、さらにその卵がウンチと一緒に出てきて新たな感染源となるから

 

なんです。

(※「卵」は正確にはオーシストというんですが、卵のようなものと考えてもらって大丈夫です)

 

逆に言うと、猫以外の動物に感染してもその動物のウンチからは卵はでてこないし、その糞便は感染源にならないということですね。

 

 

こういったことから、はトキソプラズマが増えていくためには必要不可欠な動物で、さらにはウンチを介した感染源となりうる動物でもあるため、人へのトキソプラズマ感染源として重要視されてるんです。

 

ではなぜトキソプラズマ自体は人全体に感染するのに、妊婦さんだけが問題視されるのでしょうか?

 

その理由は、トキソプラズマと妊婦との間に、ある特別な関係があるからなんです。

 

猫トキソプラズマと妊婦の関係

赤ちゃんを気にする妊婦

トキソプラズマと妊婦の間にある一番の問題点は、妊婦が感染すると、胎盤を介して赤ちゃんまで感染する可能性があることなんです。

 

もしも妊娠中にトキソプラズマに感染した場合、

 

  • 赤ちゃんへの感染率は妊娠末期になるほど高くなる
  • 感染した場合の重症度は、妊娠初期ほど重くなる

 

という特徴があります。

 

つまり、

  • 妊娠初期は赤ちゃんにまで感染する確率は低い、が、もしも感染した場合は重症になりやすい
  • 妊娠末期になるほど赤ちゃんまで感染しやすくなる、が、症状は比較的軽い

ということなんです。

 

 

これを聞くと、

 

「じゃあやっぱり飼わない方がいいの?」

 

と不安に思われるかもしれませんが、安心してください^^

 

実はトキソプラズマが人に感染するためには、色々な条件があって、これをクリアしないと感染は成立しないんです!

 

猫トキソプラズマが猫から妊婦に感染するためには?条件は意外に厳しい?

まずは猫側の条件として、

 

  • 猫のウンチから卵が出るのは、猫の感染後1~3週間くらい
  • 出たてのウンチに感染力はなく、24~72時間後くらいから感染力をもつ
  • 猫が過去トキソプラズマに感染したことがあれば、再度感染して卵を排泄する可能性は低い(猫に免疫ができているので、トキソプラズマが繁殖できない)

 

 

次に妊婦側の条件として、

 

  • 猫のウンチが口から入る
  • 妊娠中トキソプラズマに初感染する(過去に感染していたら免疫ができているので、トキソプラズマが繁殖できない

 

 

といった条件がそれぞれにあります。

 

 

つまり、トキソプラズマが猫から妊婦に感染するには

 

  • 妊婦がトキソプラズマに感染したばかりの猫を飼っている
  • 妊婦が初めてトキソプラズマに感染する
  • 24時間以上経過した猫のウンチが妊婦の口から体内に入る

 

といった条件をクリアしなければならないんです。

 

そう、逆に言うと、この条件にさせなければいいんです!

 

 

ではこの条件を満たさないための対策には、一体どんなことに気をつければいいのでしょうか?

 

猫猫をトキソプラズマに感染させないための対策

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まず、普通に家の中だけで飼ってる猫は、外猫より安全だと言えます。

最近は、猫は家猫として飼われる傾向が強いので、もうすでにあてはまる方も多いのではないでしょうか?

 

 

逆に飼い猫を外猫にしている場合は、

 

  • トキソプラズマに感染しているネズミや鳥を捕る
  • 感染猫のウンチが混じった土に触れる

 

など、感染の機会がたくさん出てきます。

 

ですので、猫をトキソプラズマに感染させないための対策としては、

  • 飼い猫を外に出さない(完全室内飼いにする)
  • 猫に生肉をあげない(感染した動物の肉である可能性がある)

が挙げられます。

 

すでに完全な家猫で、ごはんも普通に市販のフードのみ!という場合は、今のところ特にすべき対策はなさそうですね^^

 

 

もし、「今は外猫なんだけど、この機会に家猫にしたい!でもすでにトキソプラズマに感染してたらどうしよう?」と思われてる方は、動物病院で検査をしてもらえるので、室内飼いにする前に確認しておくのもアリですね。

飼い猫のトキソプラズマ検査は必要?不要な場合の注意点とは?

 

では次に、妊婦側の対策は一体どうしたらいいのでしょうか?

 

猫妊婦がトキソプラズマに感染しないための対策

ドリンクを飲む妊婦

まず、あなたの口に猫のンチが入る機会を考えます。

 

「いや、入らないよ!」と思われるかもしれませんが、入らないこともないんです。

(ややこしいですね^^;)

 

例えば、

  • ウンチにとまったハエが、その後おかずにとまった
  • ウンチを捨てるとき手に少し付いたが、気づかず食事の支度をした
  • ガーデニングの際、土に野良猫のウンチが混じっており、いつのまにか手についていた
  • 猫のウンチが落ちた井戸水を飲んだ

などなど、いろいろと考えられます。

 

ですがこれ、要は衛生管理をきちんとすればいいということなので、

妊娠中の猫のウンチ対策として、

  • ウンチは24時間以内に片づける(感染力を持つ前に捨てる)
  • ウンチ処理はできれば他の人にやってもらい、妊婦自身がするときは手袋をする
  • ガーデニングなど土いじりをする時は手袋をする
  • 野菜や果物は食べる前によく洗う(土をよく落とす)
  • 食事前や支度前には、必ず手をよく洗う
  • 井戸水(生水)は飲まない

 

ウンチにとまったハエやゴキブリがトキソプラズマの卵を媒介する可能性を考え、

  • 作り置きしたおかずにはラップをしておく

 

さらに言うと、

  • 野良猫(特に子猫)を拾ってこない

というところに気を付ければ、まず猫からのトキソプラズマ感染は防げます。

 

ですが、ここで一点重要なことがあります。

 

猫妊婦が猫より気を付けなければいけないこと

妊婦のトキソプラズマ感染については、実は猫よりもっと気を付けないといけないものがあります。

 

それは、「生肉、もしくは十分火が通ってないお肉を食べること」です。

 

先ほどトキソプラズマはほとんどすべての動物に感染すると言いましたが、もちろん私たちが口にする豚肉、牛肉なんかも感染している可能性はあります。

 

ですが、なぜそのお肉を食べてみんながみんな感染しないのかというと、それは

 

お肉に火を通しているから

 

なんです。

 

トキソプラズマは寄生虫なので、熱に弱く、加熱すれば死にます。死んだトキソプラズマは無害なので、食べてもなんの影響もありません。

 

 

ですので、妊婦にとって一番重要なのは、

 

  • 豚肉などお肉は必ず火を通して食べること(感染した動物の肉でも、加熱すればトキソプラズマは死ぬ)

 

です!

 

実際、猫なんかより生肉からの感染の方が多いのが事実です。

 

タタキなども火が通ってないので要注意ですよ!

 

また、生肉食は、サルモネラ菌や大腸菌による食中毒の原因にもなったりするので、とにかく絶対に中まで火を通してから食べるようにしてくださいね!

 

まとめ

まとめ

妊娠前や妊娠中に猫を飼っていたとしても、感染する理由とその簡単な対策さえ知っていれば、手放す必要など全然ないということがおわかりいただけたでしょうか?

 

色々と対策を書いてきましたが、猫のトイレ掃除は毎日するとか、食事前には手を洗うとか、肉はしっかり火を通して食べるとか、要は普通のことを普通にしていれば大丈夫だということなんです。

 

対策はしっかりととりつつ、かと言ってトキソプラズマを過剰に恐れることなく、これからも猫と一緒に幸せライフを満喫してくださいね^^

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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